ISO14001
国際標準化機構(ISO、International Organization for Standardization)が発行した、環境マネジメントシステムの国際規格です。1996年9月に制定されました。国際標準化機構は、スイスに本部を置く国際的な非政府間機構で、全世界の標準となる工業規格や、品質管理規格などを発行しています。ISO14001は、システム運用の方法としてPDCAサイクル{Plan(計画)、Do(実施)、Check(点検)、Action(是正)}を意味する品質向上や環境の継続的改善を図る考え方。
エコアクション21
ISO14001をベースに環境省が考案した中小企業、学校、公共機関向けの環境マネジメントシステムの認証登録制度です。環境経営システム、環境への取組み、環境報告の3要素が統合されており、環境への取組みの現状把握から、目的・目標の設定、管理、改善に至るまでの総合的な運用を図ることができます。
eco検定
東京商工会議所が主催する環境に関する検定試験で、正式名称は「環境社会検定試験」。地球環境からスローフードに至るまで、環境に関する幅広い知識が問われる問題が出題されます。受験資格は特になく、2006年度の開始時より環境に関心のある企業関係者や学生、一般市民などの幅広い人々が受験しています。
グリーン購入
商品やサービスを購入するときに必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを優先的に購入すること。グリーン購入を勧めることで、企業も環境負荷の少ない製品の開発に力を入れるので経済活動全体を変えていく可能性があります。1996年2月に企業・行政・消費者の緩やかなネットワーク「グリーン購入ネットワーク」がグリーン購入の取組みを促進するために設立されました。
グリーンコンシューマー
グリーン購入を実践する消費者のこと。買い物をするときに環境に配慮した商品を購入し、使い捨てではなく循環型のライフスタイルを選択する人々をさします。
グリーン調達
行政機関や企業などの大口需要者が、資材や部品・原材料等、様々な物品・サービスを購入する際に、環境に配慮した製品を優先的に選択して購入することをいいます。企業ではグリーン調達のための購買方法など独自のガイドラインを策定している所が多く、ISO14001認証取得を購買の条件にしたり、仕入れ先に環境方針や環境計画などを提出させている企業もあります。
ケミカルリサイクル
廃棄物を化学反応により組成変換した後にリサイクルすること。廃プラスチックの油化・ガス化や廃食用油のディーゼル燃料化・石鹸化・飼料化、動物の糞尿のバイオガス化などの例があります。
こどもエコクラブ
環境省の事業で、小・中学生が環境学習や環境保全活動を行う環境活動クラブです。生き物調査、町のエコチェック、リサイクル活動などクラブが自主的に行う「エコロジカルアクション」と、地球や環境のことを考えるプログラム「エコロジカルトレーニング」が主な活動です。参加するためには登録が必要で、自治体の環境担当課が「市区町村こどもエコクラブ事務局」となっています。入会金、会費無料です。
サーマルリサイクル
廃棄物から熱エネルギーを回収すること。プラスチックは燃やすと高熱を出すため、ダイオキシン対策を伴う施設でサーマルリサイクルすると、埋め立てのゴミの量を減らす上でも大きな役割を占めつつあります。ゴミの焼却熱を熱源にして温水を沸かし、事務所や住宅、近隣施設の風呂や温水プールに送ることなどができます。また、ゴミの焼却時に発生する蒸気は、発電や各種施設での暖冷房のほか、工業用などに幅広く活用できます。
CSR(シーエスアール)
Corporate Social Responsibility の頭文字を取ったもので、「企業の社会的責任」の事。利潤の追求はもとより、法令の遵守や環境対策などでも一定の責任を果たさないと、利害関係者から疎外され、その存続も危うくなるとされる考え。欧米を中心に、「環境・社会・経済」における取組み成果(トリプルボトムライン)が重視されつつあります。
循環型社会
製品がゴミにならないようにし、出たゴミは出来る限り資源として使用し、残ったゴミは適正に処分することによって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を出来る限り小さくする社会。平成12年度が「循環型社会元年」と位置づけられています。
3R(スリーアール)
3Rとは、環境と経済が両立した循環型社会を形成していくためのキーワードです。Reduce(リデュース、廃棄物の発生抑制) Reuse(リユース、再使用) Recycle(リサイクル、再資源化)の頭文字を取っていて、毎年10月は3R推進月間になっています。
ゼロエミッション
国連大学が提唱している構想で、ゼロ(無)とエミッション(廃棄物)、つまりゴミを出さないということです。産業から排出される廃棄物を他の産業の資源として活用し、全体として廃棄物を生み出さない生産を目指そうとするプロジェクトをさします。国内でも、ISO14001の普及などにより工場のゼロエミッションに取組む企業が増えています。
ダイオキシン問題
ダイオキシン類は物が焼却するときに生成されてしまう物質で発癌性も指摘されています。主な発生源は焼却炉で、その他にも製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車排出ガスなどの発生源があります。大気中の粒子などにくっついたダイオキシン類は、土壌や水を汚染し、プランクトンや魚介類に食物連鎖を通して取込まれ、生物に蓄積されていくと考えられています。
デポジット制度
一定の金額を預かり金(デポジット)として販売価格に上乗せし、使用後の容器を消費者が所定の場所に返却すると預かり金を戻すことで消費者から当該容器を回収しよう、というシステムです。現在、全国規模のデポジット制度が確立されているものに、ビール瓶などのガラス瓶容器などがあります。欧米では、缶やガラス瓶、PETボトルなどにデポジット制度が適用され、ゴミ減量に効果を上げています。
二酸化炭素
1個の炭素原子に2個の酸素原子が結びついた分子で、固体はドライアイスとよばれています。
バイオマス
生物(バイオ)と、量(マス)を合わせた用語で、再生可能な生物由来の有機性エネルギーや資源をさします。ただし、石油や石炭などの化石燃料は除きます。バイオマスの種類として、木質バイオマス、海草、動物の死骸・糞尿、生ゴミ、古紙、食品廃棄物などがあります。古来から薪や炭のような形で利用されてきましたが、今日では化石燃料に代わるエネルギー源として期待されています。
風力発電
風力を利用した発電システムです。無尽蔵でクリーンなエネルギーですが、気象による変化が大きいため他の電力との併用が必要です。欧米では、風通しにいい場所に多数の風力発電装置を並べる大規模なものが多いのですが、日本では山岳地の山小屋に設置された小規模な物から、1基単独のもの、大規模なものまでさまざまです。
マテリアルリサイクル
廃棄物を製品の原材料として再資源化することです。狭い意味で「リサイクル」と用いられるときには、マテリアルリサイクルのことをさします。
モーダルシフト
商品などの輸送の際、燃料消費量の多い自動車や貨物機を使用する代わりに船舶や鉄道などを利用して環境負荷を減らすことを言います。モーダルシフトを導入することで二酸化炭素の排出量が減るだけでなく、大量輸送による輸送の効率化によって物流コストの削減や交通渋滞の緩和に繋がります。
容器包装リサイクル法
家庭から排出される容器包装廃棄のゴミを減らし、資源として甦らせることを目的として1997年から施行されている法律。消費者、市町村(自治体)、事業者(企業)の3者の役割を分担しており、消費者には排出抑制と分別排出の義務、市町村には資源の分別収集の義務、事業所には再商品化の義務が定められています。
ライフサイクルアセスメント(LCA)
製品に関して原材料から製造、流通、消費、廃棄、再利用まですべての段階を通して環境への影響を客観的、定量的に評価する手法です。経済社会活動そのものを環境への負荷の少ないものに変革しようと考えられました。
リサイクル
廃棄物を再資源化すること。使用済み製品や生産工程から出るゴミなどを回収したものを、利用しやすいように処理し、新しい製品の原材料として使うことをさします。循環型社会形成推進基本法(2000年制定)では、廃棄物処理やリサイクルの優先順位を(1) リデュース(廃棄物の発生抑制)、(2) リユース(再使用)、(3) リサイクル(マテリアルリサイクル)、(4) サーマルリサイクル、(5) 適正処分としています。
リデュース
「廃棄物の発生抑制」ともいわれ、廃棄物の発生自体を抑制する方法です。事業者が原材料の使用量を減らすような工夫をしたり、製品の寿命を長くすることでゴミの発生を抑えることができます。また、消費者が製品を長く使うこともリデュースのひとつです。